やっぱり出てきてしまいましたか

碧猫さんのところで知った朝鮮日報の記事

 上智大の渡部昇一名誉教授は、「米国はこの問題を“人権問題”と主張し続けるが、だったら(第2次世界大戦中に)東京などに対して行った無差別爆撃は何だというのか。原爆投下は何だというのか。あれこそ一般市民を計画的に殺害する大量虐殺にほかならない。これに対して戦場での“売春行為”は単なる商行為に過ぎない」という主張を展開した。

慰安婦:日本の極右学者ら「金を稼ぐための売春行為」

前回の広告の時には名前の出なかった渡部教授、出てきてしまいましたか。

 アメリカの戦争犯罪を取り上げれば、アジア諸国で行った日本の戦争犯罪が相殺されるという理屈を本気(なんだろうな)で言うことで自分の人権感覚がどんなものかがあからさまになってしまっているが分っていないのでしょうな。
さらに言えば、無差別空襲はアメリカより先に日本が南京、重慶で行っているので、そんな理屈では相殺できません。母親が東京大空襲の被災者である私にとってはこういった文脈で空襲を引き合いに出されるのはかなり不愉快です。

 大体、相殺論で日本の戦争犯罪が免罪できると考える人は、基本的に視野の中に対米戦争しか入っていないのでしょう。下手に相殺論を振りかざすと、戦後処理時にアメリカによって押さえられてきた他の国の戦争被害が出て来て藪蛇になる可能性があります。
 Apemanさんが以前慰安婦強制を示す東京裁判での尋問調書について書かれたエントリでのコメント欄で「つつけば蛇のでる薮はいくらでもあることを知らないんでしょうね」とおっしゃっていたことがあったが、本当に手当たり次第藪を突付きまくっているようだ。