2007年自滅の年

去年は従軍慰安婦南京事件沖縄戦といった問題が政治外交で重要な争点として浮かび上がって来て、日本国内での理屈が国際的にはまるっきり通用しないことが明白になった年だった。

以前から1930年代と2000年以降の日本社会には共通点が多いと感じていたが、その一つが独善的で第三者から自国の政治家の言動がどう評価されるかということに鈍感な部分である。

汪兆銘について調べようと思ったのも汪政権に対する日本の対応が、結果として国際的な信用を落としこんでいった経緯が今の日本人の多くが持っている国際的な自己意識と乖離していると感じたからだ。

アジア太平洋戦争で日本が自滅した原因は幾つもあるが、その大きな一つが1938年の近衛声明(第一次)だと考えているが、安倍内閣も似たような声明を出しそうで少し心配だった。結果としては慰安婦問題での失言*1だけですんで退陣したのは良かったのではないかとも思う。自滅はしたが、そのダメージは日本国内の歴史修正主義者のグループがより多く受けた形になったし。

*1:広義、狭義