自らの不明を恥じる

法華狼さんのところでこんなコメントをしたのだが、

『正直、否定論が海外に発信されて国際的な批判にさらされた方が結果としては良いのかもしれないと思うこともあります。南京事件否定論は欧米の宣教師や新聞記者も嘘吐きよばわりしているわけですので、反発が大きくなる可能性はかなり高いでしょう。
従軍慰安婦に関しても安倍首相が恥をかいたおかげで、政府としては慰安婦問題に否定的な態度をとるのが難しくなってしまったわけですし。
ただ、日本人ということで否定論者と同程度と見なされたりするのは、まあ人並みの羞恥心を持っていたら耐えられないことであるということはありますが。』 (2007/06/14 21:28)

そしたら、直後にこんなニュースが出てきた。
「慰安婦強制の文書ない」 日本の国会議員ら米紙に広告

 すみません、私の考えが甘かったです。安倍首相が恥をかいた程度では懲りていないようです。
 日本人はこんなのを国会議員に選ぶ国民だと判断されるのはほとんど羞恥プレイですが、建前とは言え民主主義国家の一員としては引き受けざるおえないことでしょう。

大体、敗戦直後に日本の政府も軍部も徹底した書類の焼却を行っているのは日本現代史について少しでも知識があれば周知の事実です。証拠を隠滅した当事者の直系が「文書はありません」と言っても信用されるわけがありません。

インドネシアで一部の部隊が強制的にオランダ人女性を集めるなど「規律が崩れていたケースがある」ことは認めたが、責任者の将校は厳しく処罰されたと説明している。

 処罰したのは戦後オランダによる戦犯裁判で日本軍は責任者を昇格させています。
参考 http://d.hatena.ne.jp/yamaki622/20070403/p1

公娼(こうしょう)制度は「当時の世界では普通のこと」として「事実無根の中傷に謝罪すれば、人々に間違った印象を残し、日米の友好にも悪影響を与えかねない」としている。

公娼制度自体が当時から問題視されてきたり、廃娼運動がすでに始まっていたことを除外視したとしても、軍慰安婦公娼制度としての前提を無視(年齢制限、拒否・廃業の自由)している以上、公娼制の存在を以って正当化はできないでしょう。
参照 http://d.hatena.ne.jp/yamaki622/20070525/p1
さらに言えば「お前らもやっていたんだから、文句を付けるな」という態度で共感が得られると考えているのだろうか。

 いやほんとid:Dr-Setonさんのおっしゃるとおり、予想の斜め上をいかれてしまいました。

追記
一日たって文章を見直したら、表現として不適切と思われる部分がありましたので、修正しました。